コラム:「モニタリングやフィードバックをしてもオペレーターのスキルにつながらないわけとは?」
モニタリングはモニタリングすることが目的ではなく、オペレーターの応対スキルを上げ、結果として企業の顧客満足度を上げることです。
モニタリングで顧客満足度を上げるためには、モニタリング結果をどのようにオペレーターに伝えるかが非常に大切です。オペレーターがモニタリングの結果を前向きに受け止めて、強みは継続し、課題は改善に向けて行動しなければ、顧客満足度は上がらないからです。
ところが、コールセンターの現場でよくあがる声の1つに、「モニタリング結果をフィードバックしてもオペレーターのスキルアップにつながっていない」ということがあります。
フィードバックしても何故オペレーターのスキルアップにつながらないのでしょうか?
その原因を考えてみましょう。
1.モニタリングやフィードバックに対してオペレーターの抵抗感がある
モニタリングというと「自分の応対を監視されている」「チェックされている」という印象をもっているオペレーターは少なくありません。また、フィードバックというと「できていないことを指摘される」「できるだけ避けたいもの」と思っているオペレーターも多いのが現状ではないでしょうか。モニタリングやフィードバックに対して否定的なイメージを持っていると、受け入れて頂くのは難しいと思います。まずは、「応対について担当者と一緒に考える場」「わからないことをクリアにする場」「オペレーターのための時間」ということをオペレーターにきちんと伝えて抵抗感を下げることが必要です。
2.できていないことばかり言われモチベーションが下がる
1の「抵抗感」にもつながりますが、モニタリングフィードバックの場で、できていないことばかりを否定的に言われて、モチベーションが下がる経験をしているオペレーターも結構いらっしゃいます。フィードバックが終わったとき、オペレーターが「よしがんばろう!」という気持ちになっていないと、行動は変わりません。行動が変わらないということは応対のレベルが変わらないということです。
「よしがんばろう!」と思ってもらうには、「認める」ことが大切です。フィードバックでは、オペレーターの課題だけでなく、「強み」「できていること」を伝えることが大きな意味を持ちます。「強み」「できていること」が見当たらない場合はどうしたらいいのか?という声をよく聞きますが、その場合は、「いつもがんばって電話とってくれてありがとう」など「ねぎらい」の言葉が「認める」ことになります。
3.フィードバックが具体的でなく、オペレーターがどうしたらいいのかわからない
例えば「応対が事務的」「全体的に気遣いを感じない」「お客様の話を聞いていないから回答がずれている」とフィードバックされた場合、オペレーターは「じゃあ、どうしたらいいの?」という気持ちになります。
フィードバックで一番大切なことのは「具体的であること」そして、「次の応対から何をしたらいいかをオぺレーターが理解していること」です。
例えば、
「クッション言葉や接客用語が少ないので、場面によっては事務的な印象を受けるよ」
「質問に対してお客様に答えてもらったら『はい』ではなく『ありがとうございます』と言ってみて」
「質問するときには、『恐れりますが』などクッション言葉をつけてみて」など、1つでもいいので、次の応対からオペレーターがやってみることを具体的に伝えることが大切です。
いかがでしょうか?
オペレーターのスキルアップにつながるモニタリングフィードバックのゴールは、終わった時に「オペレーターが『がんばってみよう!』という気持ちになっていること」と「次の応対から何をしたらいいかをオぺレーターが理解していること」、この2つのゴールを意識してモニタリングやフィードバックを行うことが重要です。
(written by 野本果甫 モニタリングエキスパート・コンサルタント)
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